サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.38 「トレーニング十則」 四、計画に沿ってトレーニングをする(1)1つの計画に沿ってじっくりトレーニングすることの重要性
「トレーニング十則」 四、計画に沿ってトレーニングをする(1)
■計画は大きな目標を達成するための要
計画を立てることはトレーニングの要です。特に、大きな目標を達成するためにはしっかりとした計画が不可欠です。計画を立てなくても良い結果を出したアスリートの話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、彼らも間違いなく計画に従っています。計画が頭の中にあり、紙に書かれていないだけなのです。
無計画なトレーニングで良い結果を出せるアスリートはいません。当然、あなたも例外ではありません。本書も、計画を重視しています。8章は年間練習計画、9章では練習メニューの組み方、10章はステージレース向けのトレーニング計画について詳しく取りあげます。
■1つの計画に沿ってじっくりトレーニングすることの重要性
しっかりとした計画は、競技だけでなく、人生の様々な側面においても極めて重要です。しかし、セルフコーチングをしているアスリートは、計画をおろそかにしてしまいがちです。雑誌に載っているトレーニング計画を利用しても、新しい号が出るや否や、それまでの計画を止めて新しい計画に乗り換えるライダーもいます。
1つの計画に沿ってじっくりとトレーニングをすれば、ほとんどの人は向上します。計画の内容が特に優れていなくても、効果は期待できます。計画に沿ったトレーニングとは、それほど重要なものなのです。あれこれと変えるべきではありません。
本書の内容も、詰まるところ「いかに計画を立てるか」です。第4部では年間および週単位のトレーニング計画について紹介します。毎年のシーズン計画を立てる際に、繰り返し参照してみてください。
※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■
著者紹介
ジョー・フリール
ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。
本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。
『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。
フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。
訳者紹介
児島 修
1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。