サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.56 トレーニングの科学(2)自分にとって最適なトレーニング手法を選ぶ

【立ち読み版】2012年12月6日 06:30

トレーニングの科学(2)

■大幅に改良されたトレーニングの構成要素

革靴を履きウールのジャージを着ていた時代から、トップレベルのアスリート・コーチ・科学者が、常に研究を主導してきました。現在に至る道のりは、長く険しいものでした。

栄養・回復・筋力・メンタルスキル・体力の測定・練習メニューなど、トレーニングのあらゆる構成要素が研究され、大幅に改良されました。

■無計画な練習の限界

それでも、まるで1912年当時の選手と同じような考えでトレーニングをしているアスリートは、現在でも少なくありません。「とにかく乗り込めば能力を伸ばせる」と信じて、来る日も来る日も無計画に練習するのです。

たしかに、ある程度まではこの方法で実力を伸ばせるでしょうが、それ以上となると話は別です。本書で紹介する科学的なトレーニング方法を取り入れれば、きっとみなさんもより着実に成長できるでしょう。

■本書で紹介する科学的トレーニング手法

私は読者の皆さんに、最新のトレーニング科学の成果を活用し、パフォーマンスを最大限に高めてもらいたいと考えています。

この知識は、様々な調査研究、トップサイクリストとコーチによる実際のトレーニング手法、他のスポーツ(水泳・マラソン・ボート・トライアスロンなど)の選手とコーチから得たものです。効果が証明されているものも、まだ理論の段階のものもあります。

■自分にとって最適なトレーニング手法を選ぶ

様々な手法をトレーニングにどう活用していくかは、あなた次第です。

実証済みの方法であっても、あなたの現在の状況には適していないものもあるでしょう。他の人には効果的でも、自分には向いていないトレーニング手法もあるのです。

 

※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■

 

著者紹介

ジョー・フリールジョー・フリール

ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。

本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。

『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。

フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。