サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.57 トレーニングの科学(3)「サイクリングのトレーニングの基礎」の確認
トレーニングの科学(3)
■「サイクリングのトレーニングの基礎」の確認
科学的な説明を始める前に、「サイクリングのトレーニングの基礎」を説明します。基本的なことですが、大切なことなのであらためて確認しておきましょう。
■トレーニングには長い年月がかかる
初めからトップに立つ人はいません。頂点に立つ人の多くは、忍耐力が優れています。
トレーニングは長い年月をかけて積み重ねていくものです。正しく行えば、時間の経過とともに能力は高まります。「一晩で上達する!」といった奇跡を期待してはいけません。
■休養を頻繁に組み込む
身体と心を休めることは、当然かつ必要なことです。十分な休養なくして成長はありません。
トレーニング計画に休養や回復のための期間を設けていないと、必ずそのツケが回ってきます。これは精神力でどうにかなるような問題ではありません。休養は頻繁に組み込むべきです。
■始めの1年は定期的かつ安定したペースで乗り続けることが重要
サイクリングを始めたばかりの人は、まず1年間は定期的かつ安定したペースで自転車に乗り続けることが重要です。少なくとも1シーズンを過ごすまでは、本書に書かれている内容をすべて細かく気にする必要はありません。まずは経験を積み、それからトレーニングの細かい内容に取り組みましょう。
※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■
著者紹介
ジョー・フリール
ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。
本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。
『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。
フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。
訳者紹介
児島 修
1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。