サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.66 トレーニング負荷 頻度(frequency)(1)
トレーニング負荷 頻度(frequency)(1)
■トレーニング負荷に関する5つの用語
トレーニングの負荷に関して、本書で繰り返し用いる5つの用語があります。
それは、トレーニングの「頻度(frequency)」「時間(duration)」「量(volume)」「負荷(workload)」「強度(intensity)」です。
これらの用語の理解は重要です。
シーズンを通して、トレーニングの「頻度」「時間」「強度」を細かく変更し、体の快適な状態を崩すことで、体にプラスの変化(体力の向上)を起こし適応を促すことができます。この操作には「量」と「負荷」が関係します。ではそれぞれの用語について1つずつ見ていきましょう。
■頻度(frequency)
頻度とはトレーニングの回数のことです。
初心者は週に3~5回の練習で体力が急激に変化し、短期間で10~20%もの向上をみせることがあります。ベテラン選手の練習回数は多く、時期によっては1日2回練習をすることもあります。
オリンピックを目指すような選手は、週に12~15回ものセッションを行うことがありますが、このくらいの回数を消化しても体力の向上は1%くらいです。これは、すでに能力の限界値に近いレベルにあるためです。
※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■
著者紹介
ジョー・フリール
ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。
本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。
『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。
フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。
訳者紹介
児島 修
1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。