サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.98 病気(3) 病み上がり
病み上がり
■病気の運動能力への悪影響
病気が治った後も、しばらく体調が優れないことが多いものです。
大半の人は、インフルエンザの後、長くて1か月間は筋力が15%落ちます。VO2maxが最大3か月、低下することもあります。この時期は、低強度の運動で筋肉が酸性に傾く可能性があります。つまり、病気の急性期が過ぎても、練習で体力の低下を感じるでしょう。
■病み上がりの練習内容
首から下の症状を伴う病気の後は、必ず症状が出ていた日数について、1日あたり2日間の基礎期のトレーニングに取り組みましょう(例:症状が出ていた日が3日であれば、6日間の基礎期のトレーニングを行う)。
■できるだけ早く病気を治すには
インフルエンザが完治しないまま練習を再開すれば、体調が悪化し、その状態が長引く場合もあります。できるだけ早く病気を治すには、トレーニングをするのではなく、限られたエネルギーをすべて病気と闘うことに費やすのが最善の策です。
※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■
著者紹介
ジョー・フリール
ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。
本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。
『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。
フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。
訳者紹介
児島 修
1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。