トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.11 トレーニング理念 「競技者は、継続的な向上に最も適したトレーニングを、最小限度行うべきである」

【立ち読み版】2013年2月23日 00:11

トレーニング理念「競技者は、継続的な向上に最も適したトレーニングを、最小限度行うべきである」

■個人のトレーニング理念に基に築く土台

トレーニングの実践はマルチスポーツの成否を左右します。ですから、しっかりとした土台が必要となります。そしてこの土台は、個人のトレーニング理念を基に築くものです。

今まで理念について考えたことがなかった人でも、競技者であれば各自すでに何かしら持っているでしょう。毎日、トレーニングについて何かを決断するとき、その答えを引き出すのは理念だからです。

■自分のトレーニング理念が反映される場合

以下のような場合にくだす判断には、自分のトレーニング理念が反映されます。

  • 疲れを感じているがきつい練習を予定しているとき。
  • どの練習を行うか、決められないとき。
  • 休養中、体力が落ちるのではないかと心配になるとき。
  • ライバルが自分よりもたくさん練習していることを知ったとき。
  • 練習内容に気後れするとき。
  • 練習パートナーのペースが速すぎると感じるとき。
  • 自分の弱みがわかっていながら、得意なことを練習したいと思うとき。
  • インターバルで、あともう1本しか走れそうにないと思うとき。
  • もっと練習できそうだが、その自信がないとき。
  • レースに失敗したとき。
  • 体力が落ちたと思うとき。

■トレーニング理念が「モア イズ ベター」の人の判断

もしもトレーニング理念が「モア イズ ベター。いつもできる限りきつい練習をする」という人ならば、このような場合にくだす判断は決まっています。

実際に、マルチスポーツではこのような人が多く、病気や怪我、燃え尽きやオーバートレーニングによる練習休止の主な原因となっています。もっと身の丈にあった理念であれば、このような問題も避けることができ、パフォーマンス向上も期待できるでしょう。

■「競技者は、継続的な向上に最も適したトレーニングを、最小限度行うべきである」

同じ場合でも、トレーニング理念がまったく違う人なら、判断も大きく異なるでしょう。例えば次のような理念を持つ人の場合です。

「競技者は、継続的な向上に最も適したトレーニングを、最小限度行うべきである」。この理念はどういうことを指すのでしょうか。よくわかるように、重要な言葉を1つ1つ吟味してみましょう。

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■