トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.48 シリアスな持久系運動選手に一番多いと考えられるオーバートレーニングの原因は?
シリアスな持久系運動選手に一番多いと考えられるオーバートレーニングの原因は?
■オーバートレーニング曲線
以下のグラフは回復が無視され、意気込みに歯止めがきかなくなった場合に、どういうことが起きるかを示したものです。
このグラフを見ると、トレーニングの負荷が上がるにつれて、体力も自分の限界まで向上します。しかし、この限界に達してしまうと、それ以上負荷を上げても体力は逆に低下してしまいます。現時点での自分の限界以上にトレーニングをすれば、体力は落ちてしまうのです。トレーニングの負荷を上げ過ぎるとやがてオーバートレーニングを引き起こします。
■オーバートレーニングの原因
オーバートレーニングは、以下に挙げた3つの条件のうち、いくつかが原因となることが多いと考えられます。(1)練習時間が長過ぎる(時間過剰)(2)強度、頻度が高過ぎる(強度過大)(3)期間が短過ぎる、また頻度が高過ぎる(頻度過多)。
このうち、シリアスな持久系運動選手に一番多いと考えられる原因は、強度過大です。マルチスポーツのレースでは、距離によって差があるものの、おおよそ90%が有酸素性、10%が無酸素性の運動です。トレーニングはこの割合を反映したものにするべきなのです。毎週のように無酸素性のトレーニングに力を入れていれば、必ずオーバートレーニングにつながります。強化期において高強度の練習を合計で6週間に抑え、その間に2 週間の回復期間を組み込んでいるのはこのためです。
※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■