トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.87 エネルギーの消費効率を向上させることのできるファクター

【立ち読み版】2013年2月23日 01:27

エネルギーの消費効率を向上させることのできるファクター

■エコノミーの高い選手を見分けるのは簡単

エコノミーの高い選手は、スイム、バイク、ランが楽なものに見えるので、たいていの場合、見分けるのは簡単です。なかでも水泳は特に簡単です。水は空気よりも密度が高く、余分で無駄な動きを強いられるからです。優れたスイマーは水のなかを滑り抜けるようにして泳ぎます。このようなスイマーは楽に泳いでいるように見えるので、ラップタイムを見てその速さに驚くこともあるでしょう。同じように、エコノミーの低いスイマーは、手足をばたつかせ、もがき苦しんでいるがよくわかります。

しかし、エコノミーは単に力学の問題ではありません。さらに小さなファクターが影響しています。たとえば、遅筋線維を多く持って生まれた持久系運動選手は、速筋線維の多い選手よりもエコノミーがいくらか高いことが、科学研究によって明らかになっています。体の大きさも影響します。一般的に、体の小さな選手は大きな選手よりもエコノミーに優れています。こうしたファクターは自分では変えられません。しかし、このほかの条件のなかには、自分でコントロールすることにより、エネルギーの消費効率を向上させることのできるものもあります。たとえば、以下などがそうです。

  • 体重
  • 心理的ストレス
  • 機材・用具(自転車やランニング・シューズなど)の重さと形
  • 水や風の抵抗を受ける前方投影面積
  • テクニックの微妙な差異

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■