トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.105 ペダリング動作の改善方法

【立ち読み版】2013年2月23日 01:45

ペダリング動作の改善方法

■上死点と下死点で力を加える方向を変える

以下の図はストロークの諸相での足のポジションと合力を表しています。

ペダリング動作の改善は、上死点と下死点で力を加える方向を変えれば解決します。下死点では(上図の Dと E)、力は後方に加わっています。しかし、これはストローク全体に加わる力のほんの一部です。この動きはよく「靴底についた泥をこすり落とす動作」と表現されます。この感覚は、自転車から降りてテーブルにもたれかかり、カーペットの上で足底を後方に滑らせるとわかります。ちょうど動物が足で地面をかく動作です。この、かく動作では、かかとのほうがつま先よりも先に上がります。

足が上死点に近づくにしたがい(上図のF、G、Hの地点)、かかとは下げます。上死点(H)での正しいテクニックを大げさ表現すれば、足がシューズのなかで前方に動くような感覚です。こうして足はストロークの前面に戻ります。ここで再度かかとを若干落とします。この局面では円を描く動作のなかで最大の筋力をかけます(A、B、Cの地点)。

■ペダリング・ドリルの目的

ペダリング・ドリルを行う目的はまず、ストロークの3つの局面を練習しながら意識できるようにすることです。そして次に、1つの局面から次の局面へ、できるだけスムーズに切れ目なく移行できるようになることです。この2つの目的を達成する方法は4つあります。これらの練習は1年をとおして行ってもよいですが、バイクのペダリングテクニックを磨くには、準備期と基礎期が最も適しています。

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■