トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.116 ミッドソールクリート ~バイク・エコノミーの向上に役立つ用具~
ミッドソールクリート ~バイク・エコノミーの向上に役立つ用具~
■腓腹筋の運動量が大幅に減少しエコノミーが向上する
私が指導するトライアスリートのほとんどは、クリート位置を拇指球からシューズのアーチ部分へと移動したらエコノミーが向上したと言っています。さらによいことに、クリートをこの位置に取り付けると、ペダリング中の腓腹筋の運動量が大幅に減少するのです。つまり、バイクアップ時に、主にランに使う筋肉である腓腹筋が、疲労していないフレッシュな状態であるということです。このような二重の効果を一度に得ることはめったにありません。
ミッドソールクリートのついたシューズはなかなか見つかりません。特注するか、既存のシューズを改造するとよいでしょう。地元の専門店に行けば相談に応じてくれるでしょう。ただしどんなシューズでもアーチに装着するクリートに合うわけではありません。もし合うシューズがあったら、履き古したものに装着してみて、そのクリート位置でよいかどうか、具合を確かめましょう。クリート位置を変えたら、ペダルも変える必要があるかもしれません。なぜなら若干カップ状にへこんだクリートは平らなアーチの部分にはフィットしないからです。場合によっては、マウンテンバイク用のクリートを試してもよいかもしれません。マウンテンバイクのクリートは通常、ネジを2本しか使っていないので、シューズの平らな部分にもぴったりとフィットします。
このような大幅な変更をしたくない人は、とりあえずクリート位置をシューズやクリートが許す限り、かかと側に下げて取り付けてみましょう。ほんの1/4インチ(約6mm)程度のことですが、腓腹筋の仕事量はいくらか減らすことができます。
※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■