ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト【立ち読み版】vol.19 燃料としての糖質(3) 肝臓とグリコーゲン

【立ち読み版】2013年3月21日 06:30

燃料としての糖質(3) 肝臓とグリコーゲン

■グルコース・血糖値

血液内を移動するサイズの小さな糖質のことをグルコースと呼びます。血液内のグルコース量は、「血糖値」とも呼ばれます。

■肝臓に蓄えられるグリコーゲンの量は少ない

血糖値が低くなると、血糖値を正常に保つために、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが使われます。しかし、肝臓に蓄えられるグリコーゲンの量は、わずか数百kcalしかなく、すぐになくなってしまいます。

このため、長時間あるいは高強度で走行をする際には、スポーツドリンクや水で薄めたジェルなどで糖質を摂取し、血糖値を健全なレベルに保つことが必要になります。

■朝起きたときの肝臓のグリコーゲンの状態

また肝臓は、眠っている間にも、血糖値を正常に保つためにグリコーゲンを血中に送り込んでいます。ですから、朝起きたとき、肝臓にはグリコーゲンがほとんど残っていないか、枯渇している状態にあります。このため、日中の活動を行うためのエネルギーを得るためには、糖質の補給が必要になるのです。

■糖質を肝臓へ貯蔵するのにかかる時間

糖質を摂取・消化し、肝臓に貯蔵するプロセスには、3時間から4時間を要します。つまり、糖質をエネルギー源とする運動を控えているときは、運動の数時間前に食事を済ませておく必要があります。なお、液体で摂取する糖質は消化が早いため、固形物の代わりに摂取すると効果的な場合があります。

 

※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■