ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト【立ち読み版】vol.22 燃料としての糖質(6) ハンガーノック
燃料としての糖質(6) ハンガーノック
■ハンガーノックとは
サイクリストがよく口にする、「ハンガーノック」という用語が指しているのは、それまで行っていた運動を続けるために必要な糖質エネルギーが、底を尽きてしまった状態です。
■糖質がなくなるとタンパク質の分解が始まる
糖質がなくなると、動作をかなり遅くするか、停止しなければならなくなります。というのも、体がタンパク質(筋繊維など)を分解し始めなくてはならなくなるためです。これは、燃料を確保するために体が〝自分を食べる〟現象だといえます。
■糖質が完全に枯渇する前に生じることを示唆する研究もある
一部の研究は、「ハンガーノック」は、糖質が完全に枯渇する前に生じることを示唆しています。これは、タンクが完全に空の状態で運動を続けることを防ぐために、体に生まれつき組み込まれた防衛のメカニズムだと考えられます。
※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■