ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト【立ち読み版】vol.28 燃料としての脂肪(1) 脂肪はゆっくりとエネルギーに変換され、多量の酸素を必要とする
燃料としての脂肪(1) 脂肪はゆっくりとエネルギーに変換され、多量の酸素を必要とする
■運動中に脂肪が足りなくなることはまずない
脂肪は、身体全体に蓄えられた、長持ちのする燃料であり、かなりやせているアスリートの体にも豊富にあります。
脂肪は長時間の低~中程度の運動に必要な筋肉収縮のためのエネルギーを、枯渇する心配なく供給してくれます。運動中に、脂肪が足りなくなることはまずありません。
■平均6万~10万kcalの脂肪がある
平均すると、アスリートの体内には6万~10万kcalの脂肪があります。多くても2,000kcalしかない糖質と比べれば違いは一目瞭然であり、脂肪を燃焼しやすくするためのトレーニングに大きな価値があることがわかります。
■脂肪はゆっくりとエネルギーに変換され、多量の酸素を必要とする
しかし、脂肪はゆっくりとエネルギーに変換されるために、糖質のように短時間でのハードな運動をサポートできません。また脂肪を燃料に換えるプロセスでは、糖質に比べて、多くの酸素が必要になります。こういったことが、糖質が枯渇した場合に、アスリートがスローダウンしてしまう理由です。
※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■