ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト【立ち読み版】vol.49 徐々に強度を上げていくことが重要
徐々に強度を上げていくことが重要
■有酸素エネルギー系 - ハイブリッドエンジン
有酸素系は、2分程度以上持続する運動をサポートするものであり、サイクリング活動全般の基盤となるエネルギー系です。十分な酸素の継続的な供給が必要であり、脂肪と糖質、そして(若干の)タンパク質をATPに変換して、筋肉がペダルを回し続けるためのエネルギーを生産します。
有酸素系を十分に構築するには数年を要します。
■無酸素エネルギー系を支える有酸素系
有酸素系は、シーズンにおいてピークの状態が6~9週間持続する、無酸素エネルギー系を支えるための大きな役割を担います。この点を考慮すれば、毎年、有酸素系のエネルギー系の構築に多くの時間を費やすべきだということがわかります。
それでも、シーズンの初レースの5か月も前ため、激しい練習を頻繁に繰り返すことで、有酸素系の能力の向上をおろそかにしてしまう選手は少なくありません。しかし、速く走るためには、強力な〝有酸素エンジン〟が必要です。
■徐々に強度を上げていくことが重要
低~中程度のペースでトレーニングを行うことで、有酸素系は鍛えられます。すべての練習を眠たくなるほど緩い速度で行うというわけではありませんが、有酸素系の向上を重視するベーストレーニングの期間では、軽め~中程度のペースから、快適に感じられる程度まで徐々に強度を上げていくことが重要です。
※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■