ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト【立ち読み版】vol.76 有酸素システムの発達度合いと糖質への依存比率
有酸素システムの発達度合いと糖質への依存比率
■休息時のエネルギーのほとんどは脂肪
体は、休息時にも燃料を燃やしています。休息時には、糖質はわずかな量しか使われず、エネルギーのほとんどは脂肪から生み出されます。
■有酸素システムの発達度合いと糖質への依存比率
運動強度を高めていくと、燃料の消費量も上がります。高強度の運動を支えるために体が糖質に依存する比率には、「有酸素システムがどれだけ発達しているか」が影響します。脂肪を燃やし続け、エネルギーを有酸素的に生産するためには、運動中の筋肉は、十分に酸素を供給できなければなりません。
■無酸素エネルギー系に依存する比率の上昇の影響
運動が激しくなり、酸素の供給システムからの供給ペースを上回る量のエネルギー生産が要求されると、無酸素エネルギー系に依存する比率が高まっていきます。無酸素系への依存が高まると、糖質の蓄えも早く尽きてしまい、代謝の副産物(乳酸と水素イオン)が早く血中に蓄積するために、速度を落とさなければならなくなります。
※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■