レッグ・スピード・ドリル
左右の脚の筋肉は、ペダリングの動きの中でお互いに抵抗を作り出しており、ある意味邪魔をしあっている。抵抗はエネルギーの浪費につながりパフォーマンスを阻害する。これは練習で改善することが出来る。レッグ・スピード(脚を動かす速度)を鍛えれば、より高いケイデンスでスムーズに走れるようになり、さまざまなケイデンスでの効率性も改善する。今回は、ペダリング効率改善のためのレッグ・スピード・ドリルを紹介する。
レッグ・スピード・ドリル
■ペダリング効率改善が目的の楽なメニュー
この練習は、高速で滑らかに脚を動かすことで脚の神経経路の反応を改善し筋肉の記憶を発達させ、ペダリング効率改善することを目的とする。メニュー中から終了後にかけて心拍数はかなり上がるが、運動強度は楽なレベルといえる。
■練習を行うのに適した場所・時期
- 固定ローラーか、緩やかな下り坂で行う。
- 固定ローラーであれば、ウォーミング・アップを終えて高強度練を始めるまでの間に行うのがベスト。
- 屋外で行うのであれば、基礎期間の耐久走のロングライドの途中に、3~5回程度レッグ・スピード・ドリルを織り交ぜるとよい。また効率的なペダリングが完全に身に付くまでかなりの期間練習が必要なので、緩やかな下り坂で高速ペダリングを20~30秒程度行うように習慣づけることもお奨めだ。
■行い方
- 負荷は普通程度とし、約10秒かけてサドルの上でお尻が跳ねだすまでケイデンスを上げて行く。
- お尻がサドルの上ではねずスムーズにペダリングできるギリギリのところまでケイデンスを落とし、そのケイデンスを20秒間維持する。
- 20秒経過後ケイデンスを少しずつ落としていく。
■注意点
- 脚の筋肉はなるべくリラックスさせ、スムーズに回転させる。
- つま先や足首をムリに動かそうとせず、リラックスさせるように意識する。
- 「滑らかに」「速く」「がんばらない」足の動かし方を探す。
- 固定ローラーであれば、駆動系の回転音やローラーがタイヤに接して「シュー」という音が聞こえるはずだ。もし「シュッ、シュッ、シュッ」という音が聞こえる場合はペダリングにムラがありエネルギーを無駄に浪費している証拠なので、途切れずに一定の音が出るようになるまで力の入れ方を変える。途切れなく一定の音が出ていれば、左右のペダルの間でスムーズにパワーが移行できており2つの脚の動作が一体化できている証拠といえる。
競輪選手のペダリング動画
競輪選手のペダリングスキルはひじょうに高いといわれている。以下はYouTubeにある競輪選手の高回転ペダリングの動画だが、上体がぶれずに高回転で滑らかにペダリングしている様子がよくわかる。
参照URL
- YouTube・『Super Fast !! 』
https://www.youtube.com/watch?v=sVbwngNoHm0&feature=player_embedded - YouTube・『競輪 ローラーモガキ』
https://www.youtube.com/watch?v=s-KEQILaZ8I&feature=player_embedded
参考文献
- THOMAS CHAPPLE著・『BASEBUILDING for CYCLIST』・P217・velopress